忍(SHINOBI)コラム(1)

━━━ルーツからの進化



九忍会/筑前忍八剣衆 修羅王丸(しゅらおうまる)

「リアルタイムで時代劇を放送しているチャンネルって、ほぼNHKだけだな…」そんな事をずいぶん前から考えていた。
 無声やトーキー映画といった、我々が生まれるずっと前からお茶の間の娯楽として親しまれてきた時代劇の立ち位置は、明らかに弱くなってしまった。日本人として淋しいものである。
 しかし、現在も変わらず熱心なファンはいるし、アニメやゲームといった現代のニーズの中で、形を変えながらも欠かせない一つのジャンルとして、時代劇は生き続けてもいる。
 そう、私の忍者の根底にあるのは「時代劇」なのである。
 大好きな時代劇をケーブルテレビで見続ける日々の中で、いつしかそれが「自分もあの様な格好をしてみたい!」という思いに変わってきた。つまりはコスプレ願望である。
 限られた予算の中で着物や小道具を揃え、自分なりのこだわりを追求する日々。活動できる場所を得て、忍者姿でお客様と接する時は、さながらヒーローになったような快感を覚える。
 子供たちが喜んで写真を一緒に撮ってくる時は嬉しいものだし、むしろこうした事の喜びや快感はこれに尽きる。実にシンプルだ。
 普段の生活ではあり得ないもう一人の自分を楽しみ、それをお客様にも楽しんで頂く根本には、やはり「時代劇」がルーツとしてあり、これこそが重要なファクターだと考えている。


(仲間忍者とのアクションポーズ)

 私は現在、特撮の主人公の様な「マスク姿の忍者」を演じている。大好きな時代劇という背景から生み出したこの異形のスタイルには熱い思いとこだわりがある。
 「変化」は冒涜ではなく、先人達が作り上げてきた歴史や遺産を今に活かすための「進化」であるはずだ。
 時代劇は時と共にその形を変えてきた。同じ様に、忍者も史実の世界からよりミステリアスなヒーローというフィクションも交えた存在へと変化しているのも事実だ。
 私自身も確固たるルーツを内包した上で、一般的なスタイルではないかもしれないが、現代だからこそ出来る忍者へと形を変え、そして今後も進化し続けたいと考えている。


(笑っていいとも出演オーディションの様子)